◇「第24回 インターフェックス ジャパン」視察_2022.07.15

◇「第24回 インターフェックス ジャパン」視察_2022.07.15

会場: 東京ビッグサイト 西・南展示場
主催: RX Japan 株式会社(旧社名:リード エグジビション ジャパン)
開催規模: 900社(インターフェックス、同時開催含む)
同時開催:バイオ医薬EXPO / 再生医療EXPO 他2展
開催期間:2022年7月 13日(水)~15日(金)

東京ビッグサイト展示場正面
東京ビッグサイト展示場正面

◇視察目的:
三品産業(食品・医薬品・化粧品)の内、本展は医薬品および化粧品製造に関連した製造技術から「自動化・省人化」、「生産DX / IT」、「原料加工」、「膜処理」、「医薬・化粧品 包装」を中心に最新技術動向を入手する目的で視察した。

◇全般的な展示内容:
 インターフェックス ジャパンは、それぞれ専門分野に特化した7つのエリアで構成されており同時開催展示ゾーン全体で約900社、医薬品・化粧品の研究開発、製造に関わるあらゆる製品・サービスが一堂に出展する日本最大の専門技術展である。東京ビッグサイト開催の本展は、年2回の内の関東圏(東京)としての開催である。関西圏(大阪)での開催は既に3月に開催している。

◇注目したメーカーの製品・システムについて紹介する。

A【自動化・省力化】

1. 六菱ゴム株式会社 https://www.mutsubishi.co.jp/
➢ 注目製品:Band Less Air Tight System 「BLAT Type -Ⅰ」
 従来の汎用的な円筒ステンレス容器(以下、小型缶とする)では鋼製クランプバンド式で密封・開放を作業者が手動で操作を行う必要があり自動化が難しかったが、注目したBLATはバンドレス機密容器システムを可能とする独自のHEXAチューブ(材質:シリコンゴム)を採用した小型缶である。

写真A-1. 小型缶BLATの展示と小型缶を活用した多関節ロボットによる自動化デモ機
写真A-1. 小型缶BLATの展示と小型缶を活用した多関節ロボットによる自動化デモ機

 HAXAチューブとは屈伸部を設けた中空ゴム製のチューブシールでチューブ内の流体操作(真空・常圧)でシール自体が収縮、拡径できる構造となっていることが特徴である。チューブ内が常圧時、シールの緊迫力で小型缶を完全密閉する。BLAT Type-Ⅰはステンレス製の蓋にシリコンゴムを装着したタイプである。

写真A-1-2. 小型缶のHAXAチューブによる密封・開放構造説明図
写真A-1-2. 小型缶のHAXAチューブによる密封・開放構造説明図

2. 日揮株式会社 https://www.jgc.com/
➢ 注目製品:SMART Kangaroo (SMAll container & RoboT Kangaroo)
 SMART Kangarooは次世代全自動固形製剤工場向けに開発されたシステムである。

写真A-2. BLAT Type-Ⅱオールシリコンゴムタイプ(左)とSMART Kangarooのパネル紹介
写真A-2. BLAT Type-Ⅱオールシリコンゴムタイプ(左)とSMART Kangarooのパネル紹介

 構成されている要素には先に述べた六菱ゴム製のBLAT Type-Ⅱオールシリコンゴムタイプ (ゴム硬度:蓋部分90°シール部分70°)が用いられている。
 SMART Kangaroo方式には、次の7つの特長を持っている。
(1) 小型缶と多関節ロボットで自動化された工場が構築できる
(2) 従来自動化が難しかった気密缶の蓋開閉が可能である
(3) 脆い錠剤も同一システムで自動ハンドリングできる
(4) 多品種、少量~大量生産までマルチに対応可能である
(5) 水平方向(カンガルー方式)のため作業員の昇降を低減できる
(6) 自動搬送と組み合わせ完全自動化も対応可能である
(7) 無人操作により高活性医薬品にも対応できる
などをアピールしていた。
食品や飲料、化粧品分野の粉粒体原材料での応用展開が期待できるシステムである。

3. ストーブリ株式会社
https://www.staubli.com/jp/en/robotics/industries/pharma-healthcare.html

➢ 注目製品1:無菌環境ロボットTX2-6軸ロボット
 医薬品製造用途に適した高い清浄度を持つコンパクト6軸ロボットを使った薬品診断のデモアプリケーションを展示していた。

写真A-3-1. TX2-6軸ロボット(中央)とハンドツールチェンジャ
写真A-3-1. TX2-6軸ロボット(中央)とハンドツールチェンジャ

サニタリ性に優れると同時に死角の少ない動作範囲と高い動的性能をもち、無菌環境、グレードの高い環境でのロボット自動化システムで自動バイアル処理での活用について説明を受けた。ロボットハンド部分は作業用途ごとに自動で着脱ができるようにハンドツールチェンジャが設置されていた。
➢ 注目製品2:RPTシリーズ (ヘルールワンタッチカップリング)
 ヘルール継手に対応したワンタッチカップリングが紹介されていた。従来のヘルール継手の接続固定にはヘルールクランプバンドが用いられていたがワンアクションで接続が可能なカプラー式カップリングで、内部にOリングが装着されていて着脱が容易な構造になっていた。

写真A-3-2. RPTシリーズ (ヘルールワンタッチカップリング)
写真A-3-2. RPTシリーズ (ヘルールワンタッチカップリング)

4. イノテック株式会社 https://www.innotech.co.jp/
➢ 注目製品:容器自動投入ロボットソリューション ( OSARO社 米国 )
 ボトル、キャップ、ノズル等の容器を機械装置へ自動投入するロボットソリューションをデモ展示していた。充填機、自動ラベラー、検査機器などへ連続した投入が可能な最適なシステムの提案を得意としていると説明を受けた。ロボットピッキングにはAIビジョンを搭載してタクトタイムは約0.5秒以下、10点同時に対応できるとアピールしていた。

写真A-4. 容器自動投入ロボットソリューションデモ機
写真A-4. 容器自動投入ロボットソリューションデモ機

5. 川崎重工業株式会社 https://kawasakirobotics.com/jp/
➢ 注目製品1:自動PCR検査ロボットシステム
 PCR検査サービス事業で使用されている自動PCR検査ロボットシステムが展示されていた。人手に頼らざるをえない検体の採取を除いたPCR検査の全工程を自動で行う。ロボットを使った全自動PCR検査システムは世界的にも珍しい。

写真A-5-1. 自動PCR検査ロボットシステムのデモ機
写真A-5-1. 自動PCR検査ロボットシステムのデモ機

 検体が入った容器をベルトコンベヤーでコンテナに送り込むと、核酸抽出や試薬調整、PCRなど一連の工程を無人でこなす。約80分で感染の有無を判定する。従来、医薬業界向けにロボットを製造・納入しているが、感染症の検査受託サービスにも販路を拡大していくと説明を受けた。

写真A-5-2. ハンドコントロールシステム
写真A-5-2. ハンドコントロールシステム

➢ 注目製品2:ハンドコントロールシステム
 ロボットアームの遠隔操作を実現するコミュニケータ装置「ハンドコントロールシステム」(参考展示)が紹介されていた。
医療分野での遠隔診断や治療操作に向けた応用展開を進めている。

6. 株式会社キット https://www.kit-coltd.co.jp/
➢ 注目製品:自動洗浄システム (タンク内洗浄ノズル)
 洗浄液の水圧のみで駆動し2次元または3次元回転で高圧噴射させてタンク内を自動で洗浄するシステムを、スケルトンタンクを用いたデモ機で紹介していた。

写真A-6-1. 水圧シリンダとKITノズルの組合せによるタンク洗浄デモ機
写真A-6-1. 水圧シリンダとKITノズルの組合せによるタンク洗浄デモ機

 またホースで吊り下げた状態でもぶれずに安定した回転をし、緻密な軌跡を描き全方位への噴射ができるとアピールしていた。 生産現場の大型タンクや内部の形状が複雑な容器、溶剤噴射が必要な洗浄など、各条件に合わせ圧力、流量に調整して納入すると説明を受けた。

写真A-6-2. KITノズルの紹介パネルとタンク洗浄デモ機
写真A-6-2. KITノズルの紹介パネルとタンク洗浄デモ機

B【生産DX / IT】

1. SMC株式会社 https://www.smcworld.com
➢ 注目製品:無線システム
 FA環境における通信の安定性を実現し、複数台の無線ベースが同じ通信エリア内に存在しても、それぞれの無線ベースユニットにペアリングされたリモートユニットと通信を可能にした無線システムを紹介していた。

写真B-1. 無線システムの導入例
写真B-1. 無線システムの導入例

製品個別のP.I.Dによりそれぞれの無線ベースが無線リモートを識別する。
 主な特長として次の3つがあげられていた。
(1) 暗号化による高いセキュリティー:外部からの不正アクセスを防止!
(2) 耐ノイズ:2.4GHz ISM周波数帯使用/2ms毎(最速)周波数ホッピング採用
(3) 通信ケーブル不要:配線工数・スペース・断線リスク低減
などがパネル紹介されていた。

C【原料加工】

1. 株式会社奈良機械製作所 https://www.nara-m.co.jp/index.html
➢ 注目製品:チャージポイント (CP)
 高活性粉体を安全に移送するためのスプリット型バタフライバルブが展示されていた。
概要と原理と装置の特徴を次のように紹介している。
【概要と原理】
(1) チャージポイントはアクティブとパッシブの2つのユニットで構成された、1枚のディスクを2分割するスプリット型バタフライバルブ
(2) 高活性物質を封じ込めた状態で移送等、各種プロセス機器への供給・排出が可能
【装置の特徴】
(1) 粉塵排気システムを使用することで、OEB5の封じ込めが可能
(2) パッシブバルブは、操作員がタンク等を接続して運搬することを想定し、アクティブバルブよりも軽量
(3) ディスク周辺の樹脂パーツ点数を極力少なくすることにより、摩耗によるコンタミネーションが少なく、ランニングコストも軽減
(4) 耐圧型、自動開閉操作に対応した機種をラインナップし、様々なロケーションに適用可能
(5) 構造がシンプルなためメンテナンスが容易、特にディスクをシールするシート部分は簡単に取り外し・取り付けが可能
となっていた。

写真C-1. チャージポイント (CP)の展示
写真C-1. チャージポイント (CP)の展示

2. 株式会社ユーロテクノ http://www.euro-techno.com
➢ 注目製品:封じ込めバルブBuck ACバルブ(GEAファーマ社)
 日本初出展の高活性医薬品製造向け「Buck AC バルブ」を紹介していた。 革新的なシール材(FFKM)の採用により、従来使用が不可であった原薬(API)やアルコールベース溶媒にも使用が可能になっている。
 特長は次の4つがあげられる。
(1) 封じ込めレベル:1μg/m3 STTWA, 0.1μg/m3 (バキューム排出機能付)
(2) 使用温度:最高150 ℃
(3) 定格圧力:バルブ開で2.5 bar、閉で6 bar
(4) ボディーシール:従来のBuck MCバルブのシールを大幅に小型化、大きさ1/10、80 %軽量化、耐久性、耐擦傷性にも優れている
と紹介されていた。

写真C-2.封じ込めバルブBuck ACバルブ(GEAファーマ社)
写真C-2.封じ込めバルブBuck ACバルブ(GEAファーマ社)

D【膜処理】

1. 旭化成株式会社 https://www.kakoki.co.jp/
➢ 注目製品1:非加熱・非加圧濃縮システム
 正浸透法、膜蒸留法を活用した新規膜システムとして紹介していた。一例として、非加熱・非加圧で溶液を高度濃縮できるという特徴がある。出展社セミナーでは、医薬品原料は熱に弱いものが多く、その製造プロセスにおいて凍結乾燥の負荷が増える傾向にあり、濃縮システムでは、医薬品原料液を非加熱・非加圧で濃縮できるので、熱に弱い医薬品原料液の濃縮用途として活用できる可能性について説明していた。凍結乾燥プロセスの負荷を低減することで、生産性を向上し、省エネルギーな製造プロセスを提供できると説明を受けた。

写真D-1-1. 非加熱・非加圧濃縮システム
写真D-1-1. 非加熱・非加圧濃縮システム

➢ 注目製品2:マイクローザMF/UF中空糸膜モジュール
 マイクローザのAPシリーズ、U/Pシリーズ、SPシリーズは、医薬品の製造工程に不可欠な安全性、耐熱性、耐薬品性に優れたモジュールであり、有害物質だけでなくバイオレベルの微粒子除去を可能とし、原材料工程や、酵素濃縮、抗生物質精製、注射用水や無菌水の製造などで、幅広く利用されている。

写真D-1-2. マイクローザMF/UF中空糸膜モジュール
写真D-1-2. マイクローザMF/UF中空糸膜モジュール

 SDGsの観点でも、次の3つのトータルソリューションで医薬工場の環境負荷低減に貢献しいる。
(1) 発酵プロセスの珪藻土代替やバイオ医薬プロセスの省エネルギー化により、生産、輸送、廃棄に伴うライフサイクルCO2を削減
(2) 注射用水製造プロセスの蒸留器代替によりCO2を削減
(3) 工場排水のリサイクルにより工場の水使用量を削減。また、独自の特殊な技術により、医薬工場特有の難分解性排水を浄化と紹介していた。

2. 野村マイクロ・サイエンス株式会社 https://www.nomura-nms.co.jp/
➢ 注目製品1:膜式WFI製造装置
 「脱イオン水(UF水)を原水として、分画分子量6,000の超ろ過膜を用い注射用水を製造する装置をパネル紹介していた。常時80℃循環運転、および超ろ過膜、装置全体の蒸気滅菌が可能でSDGsに貢献する低CO2消費量の設備となっていた。

写真D-2-1. 膜式WFI製造装置のパネル紹介
写真D-2-1. 膜式WFI製造装置のパネル紹介

➢ 注目製品2:高効率逆浸透膜装置 HERO
 HEROとは逆浸透装置(RO装置)をHigh pH(高アルカリ)側で運転することにより、数々の特徴を得ている。従来のRO装置の欠点をすべて解消した上で、さらにイオン交換装置(2B3T等)の利点を取り込んだハイブリッドシステムをパネル紹介していた。

写真D-2-2. 高効率逆浸透膜装置 HERO の紹介パネル
写真D-2-2. 高効率逆浸透膜装置 HERO の紹介パネル

E【医薬・化粧品 包装】

1. 株式会社ウイスト https://www.wist.co.jp/
➢ 注目製品1:リニアシャトル搬送式パウチ/スパウトパウチ兼用自動充填装置「WPS-2LS」
 包装容器のパウチとスパウトパウチ両方に対応した兼用充填装置をデモ展示していた。

写真E-1-1. リニアシャトル搬送式自動充填装置デモ機「WPS-2LS」
写真E-1-1. リニアシャトル搬送式自動充填装置デモ機「WPS-2LS」

搬送方式はリニアシャトルを用いて容器供給を多関節ロボットと組み合わせてコンパクトに構成されている。ボトル容器にも対応可能で形状が単品の場合は専用のアタッチメント(袴)で搬送し、多品種で複数の場合は容器外径に追従する可変式のアタッチメントもセットできると説明を受けた。
 特徴は次の7つがあげられている。
(1) パウチ充填シーラーとスパウトパウチ充填キャッパー兼用機
(2) サークルベースマシンに作業時間とステーション数を任意に設定できるのでコンパクト
(3) シャトルのペア運用でチォックアームの製品巾、開口ストロークはデジタル設定で記憶
(4) 完璧な液面追従充填により高速充填で高能力
(5) パウチ搬送制振制御により高速搬送でもパウチが振られず、液面が波立たない
(6) パウチシールは条件設定が極めて簡単なベルト式シーラーを搭載
(7) 充填、キャッピングは定評のあるWISTユニットで汎用性が高く高精度
としている。
このリニアの搬送システムを包装工程や他のことでも応用して運用を劇的にかえられるような貢献をしていきたいと強調していた。
注目製品2:具材、お惣菜、野菜向け充填装置「KPS-100」
液体充填機では供給できない具材、お惣菜、野菜などの充填を可能にした専用機。鮭フレーク、イクラ、パスタなどの用途向けに開発された装置で、次の5つの特徴があげられている。

写真E-1-2. 食品分野向け充填装置「KPS-100」
写真E-1-2. 食品分野向け充填装置「KPS-100」

(1) 素材に圧力やせん断力をかけないで無圧状態で移送できるので、壊れやすいイクラなども供給充填可能
(2) スコーン、サブレなど生地を活かしたまま成形可能
(3) 製品接触部は全て洗浄可能、本体部もオールステンレス仕様
(4) 従来機に比べて極めてコンパクトなデザイン(W660×L1110×H1360)
(5) 充填量はデジタル設定で120品種メモリー可能
となっていた。

 化粧品向け充填装置に強みを持っているが、今後は食品向け充填装置への横展開にも注力していくとアピールしていた。

2.株式会社フクダ https://www.fukuda-jp.com/msp/
➢ 注目製品:包装容器エアリークテスト装置「MSQ-2002」
 バイアル全数検査装置としてMSQ-2002をデモ展示していた。対象バイアルはISO 30R以下、処理能力は100個/分、検査規格は外径10μm、測定方式密封チャンバー法/圧力変化漏れ試験法。装置内の流れは、前工程から搬送されたバイアルを1本ずつ計測部分へ供給し、上部に設置されているチャンバーへ投入され密封後、チャンバー内を加圧または減圧して内部の圧力変化を測定し、漏れを検出する。その結果を基に良品・不良品に分類されて良品は次工程に搬送され、不良品はライン外へ排出される。
 包装容器の完全性試験(CCIT)対応して包装工程の漏れ試験を完全自動化し、包装不良を排除できる装置である。

写真E-2. バイアル全数検査装置として「MSQ-2002」デモ機
写真E-2. バイアル全数検査装置として「MSQ-2002」デモ機

【特別講演】
 本展主催の特別講演『化粧品メーカーのスマート工場 未来の姿とは?』講演時間10:00 – 11:00 のセッションを聴講した。
サブテーマ「花王のスマートファクトリーへの取組み~ロボット活用による省人化活動~」
講演者:花王株式会社 技術開発センター先端技術グループ(メカトロニクス)
    グループリーダー 福田 努 氏
 ロボット活用、DX推進 (AI/IoT/RPA活用)を加速させてレジェントなスマートファクトリーの実現を目指すための取組みについて紹介された。生産/調達/物流の計画、サプライチェーンの最適化を図っている。取組み事例の紹介では、ロボット活用によるポンプキャップ供給、段ボール搬送、パウチ材料供給の従来方法による課題に対してどのように改善したか、今後どのように改善するのかを事例を示しながら現在は、まだオフライン検証を継続していて、実ラインへの展開に進めると説明があった。
 ロボット活用による省人化活動ポイントとして、次の3つをあげていた。
(1) ロボットを100%活用する周辺環境の構築
(2) 実ライン導入前の入念なオフライン検証
(3) 若手とベテランのシナジー効果
であった。
今後の取組みとて、リニア搬送技術を導入して多品種生産への対応を進めると説明があった。

【所見】
 本展は医薬品、化粧品製造向けシステムや機械装置ならびに関連周辺機器など厳しい衛生管理の下での取組み紹介がされていた。食品分野への応用が可能な技術、生産スケジュール管理や物流の入出庫管理などのシステム提案もあった。
 時間の都合で生産システムを構築する「生産DX/IT」の情報収集が十分にできなかったが、ざっくりと視察した感触ではエッジコンピューティングをベースに製造設備・機器類個々にエッジIoTを搭載し、エッジAI技術を用いてタイムラグによる遅延防止を図る目的でクラウドサーバーとは別にエッジサーバーを設置して瞬時の判断ができるシステム構築するなどの類似システムが複数提案されていた。
 生産設備の自動化を図るためには、トラブルによるライン停止は最も重要な課題になる。特に医薬品においては人の介在を極力なくしたいという衛生安全上の要求もあり、そのため生産DX/IT技術で予防保全を進化させた予兆保全や遠隔診断・操作などが生産現場では注目されていると感じた。

以上

【参考引用先】

  1. インターフェックスジャパン公式WEBサイト
    https://www.interphex.jp/ja-jp/about.html
  2. 各社HP レポート内各社URL参照
  3. 各社商品カタログ