『2023年の日本の名目GDP 世界3位から4位に転落』

 国の主要な経済指標となるGDP(=国内総生産)で、内閣府が15日発表した2023年の名目GDPはおよそ591兆4820億円となり、ドルベースで換算すると日本はドイツに抜かれ、世界3位から4位へと転落したことがニュースで報じられました。

世界3位から4位への転落予想はトピックスとなっていた昨年10月の国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しによる日独逆転予測の公表で指摘されていました。その後、今年1月のドイツの23年のGDP速報値の発表、そして今回の日本の23年のGDP統計の公表のタイミングと、通算3度目となります。

日本は1968年から2009年までは1位のアメリカに次いで2位でしたが、2010年に中国に抜かれ3位に、そして今回ドイツに抜かれ4位となりました。円安ドル高が進み、ドルに換算した時の総額が目減りしたことや、ドイツ側のGDPが物価高により引き上げられたことが要因です。

順位が入れ替わったのは為替が要因だとしても、そもそも日本が長年コスト削減ばかりで投資など前向きな経営をしてこなかったからだと指摘しています。

また、15日発表された去年10月から12月のGDP成長率は、物価の変動を除く「実質」で前の3か月と比べて0.1%減少し、2期連続のマイナス成長となりました。年率に換算すると、0.4%のマイナスとなります。

世界経済は米中対立の先鋭化、リスク削減のための供給網の見直し、脱炭素化、デジタル化の加速など大きな転換期にあります。
こうしたトレンドの変化に、日独のどちらが上手く適応できるかによって、この先が決まってくると思います。

「失われた30年」で世界2位だったGDPは中国に4倍以上も抜かされ、ドイツにも抜かされ4位に転落したうえ、平均年収でも韓国、台湾にまで抜かされてしまうという状況です。
30年以上も経済成長が停滞している状況をみると世界的にみても非常に珍しいことです。

今回の逆転に奮起して、日本経済が活性化するという展開を期待したいと思います。

以上