「夏も近づく八十八夜…」新芽のお茶がおいしい季節

「夏も近づく八十八夜…」新芽のお茶がおいしい季節

 仕事で関西へ新幹線で移動の途中、静岡から掛川間の車窓、茶畑が目に留まった。新芽の季節、「夏も近づく八十八夜…」と歌われるように、ちょうど新茶が出回る季節である。
八十八夜は、立春から数えて、88日目にあたる日のことである。今年の八十八夜は、5月1日(土)になる。ちなみに静岡のお茶は「やぶきた」という品種が主で掛川茶、本山茶、川根茶、天竜茶などが有名である。

茶葉からお茶を淹れるよりも、ペットボトルのお茶をよく手にする、という方も多いだろう。保存しやすく、キャップを回せばすぐ飲める手軽さで人気を集め、メーカーも開発に力を入れている。自動販売機やコンビニエンスストア、スーパーなど、街中で500mL前後のペットボトルが売られている。特定保健用食品(トクホ)などを除けば、100円弱から150円程度。しかし、時間があってよくお茶を飲むなら、自分で淹れた方が段違いにコスパはよい。というのは、例えばこれからの季節、冷たい緑茶(冷茶)を500mLつくる場合、煎茶の茶葉はわずか5gほどあれば事足りる。そうすると、ペットボトルのお茶にはまず使われないような、100gあたり1,000円するような高級な茶葉を購入しても、500mLのペットボトル1本分につき50円ほどで、あとは諸経費しかかからないということである。

今は便利な水筒も多くあることから、マイボトルを持ち歩く方も多く見かける。ならば自分のつくつたお茶を入れて楽しむのもお薦めである。特に現在はコロナ禍による巣ごもり仕事も増え自宅で過ごす時間も増えたことから、自分で少し高級なお茶を選んで入れてみてはどうでしょうか。その場合に注意することは、温かい煎茶を置いておくと酸化し、苦味が強くなるので、時間をおいて飲む場合は、お茶を濃く淹れて水を加えて急激に冷やすか、“水出し”で淹れるのがお薦めである。水出し煎茶は、水と茶葉を容器に入れ、3時間ほど冷蔵庫に置いておくとできあがる。茶葉に含まれるビタミンCが壊れにくく、カフェインは出にくいので、飲みやすくなる。ちなみに、一般的なペットボトルのお茶には、ビタミンC(アスコルビン酸など)が添加されていて、酸化を防ぐ役目をする。

日本茶を専門店で購入するときの勘所として、次のような点に注意するとよい。
茶葉は、ねじれていたり、縦長に丸まっていたりしていて細長い、あまり厚みがない、色が鮮やか粉や茎が少ない、大きさが均等といったものを選ぶことである。店頭で見本の茶葉を見せてくれるところも多いので、これらのことを考慮しながら茶葉選びをして、新茶のお茶を楽しむには良い季節である。

以上