東京都“宣言”解除の目安「感染者数1日あたり500人」は高い壁!

東京都“宣言”解除の目安「感染者数1日あたり500人」は高い壁!

 東京都の11月の陽性率は3%、12月は6.3%。1月はまだ早いが12~13%で推移。変異種にも警戒すべき状況である。
1ヶ月後に東京都の感染者数500人辺りが解除の目途としているが、現在の急速な感染スピードからして、無理難題な話のように感じているのは私だけだろうか。政府は、経済界からの圧力も相当あるかもしれないが、どう見ても設定の感染者数1日あたり500人は高い壁。東京都の解除がなければ、首都圏の解除もできないことになる。

飲食店がやり玉にされているが、はたしてそれだけなのか疑問が残る。個人個人の対策と意識が最大の収束対策であるはずだが重傷者も増加傾向で高止まり。政府の今回の緊急事態宣言も深刻さが全く伝わってこない。中身が緩い内容では国民にもインパクトが伝わらない。しかし、4桁代が通常になってきた現在、懸念要素が大きくなっていくばかり。

「週刊文春」に掲載されていた上杉鷹山の天然痘対策9つの優れた教訓について記す。
「コロナ時代の生き方」という特集で「上杉鷹山に学ぶ非常時のリーダーの心得」である。「感染症の日本史」にも詳しく書かれているが、1795年に米沢藩を襲った天然痘(疱瘡)に対し、藩主の鷹山は矢継ぎ早に手を打った。いずれも他藩には見られない独自の対策だ。
参考にすべきではないだろうか。
教訓1 一番困っているところを洗い出し、救いこぼしが無いよう対策する。
教訓2 具体的にマニュアル化して指示する。
教訓3 現場の支援にこそ予算を付ける。
教訓4 専門家の意見を尊重し採用する。
教訓5 非常時には常時と違うことが必要なので、変化を恐れない。
教訓6 情報・予測に基づき計画し事前に行動する。
教訓7 前提をチェックし、危うい前提の計画は進めない。
教訓8 自分や自分に近い人間の都合を優先しない。
教訓9 仁愛を基本にして分別し決断する。
…気のせいか、菅首相の新型コロナ対策は、ことごとくこれを外しているような。

専門家曰く感染者の検証が間に合わないので、爆発的な感染要因は既知の海外変異株のみならず、見つかった新たな海外変異株や国内産の変異株による可能性もあるらしい。そんな中、拡大スピードに追い付けない政府の行政スピードは遅く、専門家を含めた分科会も頼りない状況が見え隠れしていてとても不安である。
先手先手と口先だけでなく最悪の可能性を踏まえた、要請されている緊急事態宣言である。対応やその他、迅速な舵取りを期待したい。

以上