『Z世代と呼ばれる間で「昭和レトロブーム」が起こっている⁉』

『Z世代と呼ばれる間で「昭和レトロブーム」が起こっている⁉』

 近年、ゆとり世代、Z世代と呼ばれる間で「昭和レトロブーム」が起こっている。X世代の私からすると、ちょっと嬉しいことなので真相を探ってみた。

昭和を振り返ってみれば、使い捨てカメラ、チェキ、レコード、カセット、純喫茶、メロンソーダなどが若者の間で流行り、コロナ禍の中では無印良品のメロンソーダが爆発的に売るなどニュースを観る機会が増えた。内装を昭和の雰囲気にしたり、昔の銭湯のようにしたり、新しい施設なのにあえてレトロ風にしている居酒屋なども人気だという。さらに数年前、飲料メーカーのキリンビバレッジが復刻版のパッケージの「キリンレモン」を発売したところ、爆発的に売れた、という事例もあった。

昭和という時代のど真ん中を過ごしてきた私にとっては、若い頃に感じていた「古臭い」「オヤジ臭い」とかつては若者にも嫌われていた「昭和レトロ」がZ世代の若者たちに受け入れられるようになり、インスタなどにもこうした古臭いものを撮った写真が載っている。敢えて昔のフィルム加工した写真が載ることも多く、とても不思議な気持ちがするのはきっとX世代共通のおもいだろう。

昨年5月にリニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」もコンセプトは「昭和の熱気を遊びつくそう」である。テレビ中継のニュース映像を観ていて感じたのは、Z世代の若者には、現代のデジタル社会にどっぷりと浸かってしまった影響なのか、アナログ的な昭和という時代が逆に新鮮に見えているのかもしれない。映画で観た『ALWAYS 三丁目の夕日』のような商店街があり、ジェットコースターには手塚治虫の鉄腕アトムのイラストが描かれている。さらに住人たちの個性あふれるパフォーマンスが繰り広げられる園内では、西武園通貨という紙幣で買い物ができるといった趣向を凝らしている。

このように、若者の間でトレンドとして「昭和レトロ」というブームが続いている。やはりこの現象はZ世代の若者の間で、特にこのコロナ禍に、今までとはまったく違った「新しいレトロブーム」が起こり始めていることを強く感じる。

X世代にとっても街中で昭和レトロの品物を見掛たり、音楽を聴いたりすると、その当時のことを思い出すことができる不思議な力を持っている。最近では、認知症の治療にも昭和レトロが活用されているようである。

以上