『大丈夫か?後発医薬品(ジェネリック)メーカーの信頼が揺らいでいる』

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『大丈夫か?後発医薬品(ジェネリック)メーカーの信頼が揺らいでいる』

 先般の小林化工の問題も加え、やはり医薬品は先発メーカーの製品でないと信頼できないのだろうか。後発医薬品(以下ジェネリック)メーカーの信頼が揺らぐ問題がまたも発生している。

2月25日、日医工が医薬品を相次いで自主回収している問題で、富山県は医薬品医療機器法に基づき、業務停止命令を出すことを検討しているニュースが報じられていた。
そして3月3日、処分期間1カ月の業務停止命令が正式に発表された。健康被害は確認されていないが、回収する品目数が多く、生産管理体制に問題があったと判断したようである。業務停止命令は、処分の中では2番目に重い。日医工は75品目にも及ぶ品質試験方法不備・再試験の記録の不備など、生産管理体制不備の問題が表面化した。日医工は、手術時に必要なセファゾリンという医薬品の供給メーカーとしても知名度の高い。

これでは、ジェネリック医薬品は安価だけで、最も重要な有効性・安全性についての信頼は全く担保されていないことが露呈してしまった。ジェネリック薬品は新薬と成分が同じでも、添加物や製造過程が違うから十分な効果が得られないこともある。さらに副作用が現れることもあるので、新薬と同等に医師や医療関係者へ医薬品情報をしっかり提供することに努めなければならない。この点が完全に欠如しているように思える。

やはりジェネリックメーカーの利益主義が優先しているのか「命に係わる医薬品」を扱っているという意識が低いといわれても仕方がない状況である。そのため現場的には相当大きな衝撃になっていることが想像できる。小林化工と違って日医工のシェアは無視できないレベルのはず。国が旗振って何でもジェネリックに振替させてきたことも無視できないが、この問題の根っこにあるものが何なのかしっかり把握する必要があるだろう。適正化の流れはしばらく続きそうな展開である。

GMP(Good Manufacturing Practice)製造管理や品質管理規則の遵守違反などの問題が表面化するごとに、経営者は「今後は意識改革し信頼回復に努める」と従来と同じようなコメントをするだけで繰り返すばかりで根が深い。安全・安心の信頼を取り戻すには相当な時間と努力が必要となる。同様のジェネリックメーカーも他人ごとではない。本当に大丈夫?疑念を持たれることがないように、抜打ち査察を受けても問題がないように自社内の品質管理の観点から早急に総点検を実施すべきと提言しておく。

以上