◇「国際粉体工業展 東京2020」視察_2020.11.20

◇「国際粉体工業展 東京2020」視察_2020.11.20
会場:東京ビッグサイト南1~2ホール、主催:一般社団法人日本粉体工業技術協会
開催規模:152 社・団体 457 小間
開催期間:2020年11月18日~20日の3日間

◇「国際粉体工業展 東京2020」視察
◇「国際粉体工業展 東京2020」視察

◇視察目的:

 一般社団法人日本粉体工業技術協会主催の「国際粉体工業展東京2020」が、2020年11月18日(水)から20日(金)までの3日間、東京ビッグサイトにおいて開催されることから粉体ハンドリング技術を中心に情報収集のため視察。
 本年は、新型コロナウイルス感染症の拡大の中、開催されるため十分な感染症対策を施しつつ、アフターコロナに向けた各企業における粉体技術の動向調査を行う。

◇全般的な展示内容:

 本展示会では「粉づくり・ものづくり・夢づくり-粉の技術」というテーマが掲げられ、新型コロナウイルスの影響で開催規模は縮小される中、152社が出展していた。製造機器プロセス機器をはじめ、計装・測定・ラボ機器から、材料・エンジニアリング技術まで展示されていた。
 粉体産業は、モノづくり産業の発展にとって極めて重要であり、粉体は不可欠な材料と言える。用途範囲も広範囲で化学、食品、医薬、電子材料、自動車、建設、エネルギ、半導体、新素材などの業界全般におよび関連機器が多く出展されていた。

◇注目したメーカーの製品・システムについて紹介する。

1. 月島機械株式会社 https://www.tsk-g.co.jp/

・多品種少量対応粉体計量コンテナ「TSKコンテナ(コンテナtoコンテナ)」(写真1.)
・サブミクロンオーダー粒子ろ過・洗浄装置「BoCrossフィルタ」
「TSKコンテナ(コンテナtoコンテナ)」は、高精度で多品種少量に対応した粉体計量を実現するシステムとして実物展示紹介をしていた。コンテナからコンテナへシュートを介さず直接計量するコンテナシステムで、コンテナから粉体を排出するコーンバルブの開閉のための駆動装置を最上部に設置してコーンバルブを引き上げることを特徴としている。適用分野は食品用粉体、2次電池用粉体、高付加価値粉体、医薬用粉体などである。
「BoCrossフィルタ」は、月島機械の子会社であるろ過器メーカーBOKELAのダイナミック・クロスフローろ過装置を国産化し展開した装置。従来装置では困難であったサブミクロンオーダー粒子のろ過・洗浄を実現している。電池や化学分野への提案を強化しているようでテスト機を展示紹介していた。

◇「国際粉体工業展 東京2020」視察
写真1.「TSKコンテナ」

2. プライミックス株式会社 http://www.primix.jp/

・高速微粒化撹拌機「フィルミックス」(写真2.)
プライミックスは5月に月島機械のグループ企業となり、薄膜旋回型高速ミキサを展示。
プライミックスは液体、粉粒体の乳化、分散、混練、微粒化に強みを持っている。展示紹介されていた「フィルミックス」は、従来の高速撹拌機では得られなかったシャープな粒度分布とナノ粒子までの微粒化が可能で、バッチ、連続運転に対応し、リチウムイオン電池の電極スラリー製造用途や全固体電池、ナトリウムイオン電池などの新型電池のラボ用として紹介されていた。

◇「国際粉体工業展 東京2020」視察
写真2.「フィルミックス」

3. 日清エンジニアリング株式会社 https://www.nisshineng.co.jp/

・旋回式粉粒体微細分級機「エアロファインクラシファイア」ラボユニット ・精密空気分級機「ターボクラシファイア」 ・粉粒体プラントシステム「マトコン・コンテナ(IBC)システム」(写真⒊) 「エアロファインクラシファイア」ACラボユニットの実機展示では、粗大粒子の除去性能に優れる旋回式分級機として、電子部品材料をはじめ電池材料、高機能化学品、積層セラミックスコンデンサ材料などの最先端領域の材料開発において、ナノ領域での高い分級技術を有している。このユニットはツインエア方式を採用し、高精度分級(1μm以下)を安定的に可能としている。さらに「ターボクラシファイア」では、1~100μm領域の分級を実現している。

「マトコン・コンテナ(IBC)システム」は、粉粒体でのハンドリングシステムとしてミニュチュアのモデル工場による設備運用の説明や映像での紹介をしていた。多品種少量製造システムとして、食品、医薬品、金属/ガラス、化学/プラスチックなどへの導入実績を多く持っている。マトコンシステムのコーンバルブは、下からの突き上げ方式でコーンバルブからの振動を利用して粉体を排出することが特徴である。

◇「国際粉体工業展 東京2020」視察
写真3.「マトコン・コンテナ(IBC)システム」

4. 株式会社ダルトン https://www.dalton.co.jp/

・食品業界向け押出造粒機「バスケットリューザーBR300F」(写真4.) 「バスケットリューザーBR300F」は、食品分野の顆粒材などを製造する押出し造粒機。 食品衛生を考慮した軽量パーツによる優れた分解性に加えて、エアパージによる高い洗浄性も兼ね備えている。前処理装置を含めたプロセスエンジニアリングで食品関連業向けへ展開を狙っている。既存製品で化学・製薬業界向け押出造粒機を改良し、サニタリ性を持たせたものに仕上げている。食品業界では食品衛生上の制約から、頻繁な水洗い等による洗浄性の要求があったことから、個々の金属部品の軽量化を図った上、洗浄時のエアパージに耐えられる機構を備えている。
◇「国際粉体工業展 東京2020」視察
写真4.「バスケットリューザーBR300F」

5. 株式会社流機エンジニアリング http://www.ryuki.com/

・プリーツドライヤー脱水乾燥機「脱乾(だっかん)」(写真⒌) ・オゾンマイクロバブル発生装置「0ミクロンⅢ世」 「脱乾」は、原材料スラリーの固液分離から、脱水・乾燥までをオールインワンで行う装置。一般的なスプレードライヤと比較してコンパクトな装置であることを特徴としている。特にリチウムイオン2次電池(LiB)などファイン粉体材料向けに適している。 「0ミクロンⅢ世」は、化学プラントの排水処理システムで、難分解性物質の処理に適する装置。一般的な好気性処理では不可能な有機物や難分解性物質に対応できることをアピールしていた。
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写真5.脱水乾燥機「脱乾」

◇粉体技術分野「粉体ハンドリング」「食品粉体技術」「電池製造技術」における現状の課題と近未来技術の動向
特に注目している粉体技術分野での現状の課題と近未来技術の動向について表1.に示す。

表1. 注目粉体技術の課題と動向
技術分野 現在の課題 近未来技術
粉体
ハンドリング
✓ 安全・衛生・洗浄
✓ ファイン化対応
✓ 環境保全への取り組み
✓ マテリアルハンドリングへの拡大
✓ 粉体ハンドリングのための物性測定と計測
✓ メンテナンスフリー技術
✓ 次世代センサ・制御・シミュレーションとの融合による、知能化ハンドリング技術
✓ エネルギマネジメントシステム(EMS)や、省エネ機器・設備、通信システム、評価計測など、ICTやセンサを活用したマテハン技術のスマート化
食品粉体技術 ✓ 「安全・安心」な食品を製造するための生産技術・生産設備・管理技術の高度化
✓ 原料の産地から消費者までの原料・加工・流通にかかわる情報の一元的な管理と活用
✓ 生産現場の環境管理
✓ 製品の安全性の評価技術(異物混入・残留農薬等)
✓ 新たな調理や加工技術・生産方式、最先端の生産技術、トラブルの未然防止等の探求
✓ 生体成分由来の異物の検出技術の開発や既存の検出装置の検出感度の更なる向上
✓ ノロウイルスの機械的分離が可能となる分離膜の安価な提供
✓ アレルゲンの検出や混入防止、アレルギ含有食品の管理技術の高度化
✓ 高度な食品の衛生管理や品質保証などの管理技術
✓ 食品分野で見落とされている既存技術・最新技術の活用および複数の技術の融合・ハイブリット化による「製造技術・管理技術の深化」
電池製造技術 ✓ HEV用電池(ニッケル電池、リチウムイオン、キャパシタ等)の高出力化、信頼性向上、低コスト化
✓ 携帯電話用リチウム二次電池の高容量化合金系負極材料の高性能化と実用化
✓ 燃料電池システムの高性能化と低コスト化、市場導入(自動車用、家庭用、携帯用など)、水素エネルギ技術の実用化
✓ 新規な電池材料や燃料電池材料、水素貯蔵材料などの開発と高性能か
✓ 自然再生型水素エネルギ技術
✓ 直接改質型燃料電池システム
✓ 全固体型二次電池

◇所見

 視察した、20日(金)は会期最終日であったが来場者数は約1,500人というプレス発表があり、会期3日間での来場者数合計が5,000人を超える程度であった。
2月以来の展示会視察であったが、3密に気を使いながら注目展示ブースを視察、最新のトレンド情報を得ることができた。
 特に注目していた「粉体ハンドリング技術」「食品粉体技術」「電池製造技術」に関連した最新技術の情報からもわかるように、現在の課題解決に取り組むことと同時に近未来技術開発に向けた今後のさらなる各企業の新技術、新製品のリリースを期待したい。

【出典先】

視察企業装置・機器写真は各社H.Pより出典転載

以上