◇「第1回 フードテックジャパン」視察_ 2020.11.25

◇「第1回 フードテックジャパン」視察_2020.11.25
同時開催「ドリンクジャパン」「インターフェックスWeek東京」
会場:幕張メッセ、主催:リードエグジビションジャパン(株)
開催規模:200社
開催期間:2020年11月25日~27日の3日間

◇「第1回 フードテックジャパン」視察

◇視察目的:

 食品製造の自動化・省人化を念頭にしたソリューション展として新規開催されることから、自動化・省人化関連技術動向・情報収集を目的に視察を行った。

◇全般的な展示内容:

 『食品製造の自動化・効率化』を実現するための展示会として、食品製造機械やロボット、IoT・AIソリューションなどを扱う出展社と、自動化・効率化を目指し来場する食品メーカーや外食チェーンなど商談の場として新規開催となった。食品・飲料向けロボット・IoT・AI関連出展400社(同時開催ドリンクジャパンを含めて)の規模であった。主にロボット、ロボットハンド、AGV・自動搬送車、IoT・AIソリューションを視察した。

◇注目したメーカーの製品・システムについて紹介する。

1. 株式会社アールティ https://rt-net.jp/

 お弁当惣菜工場で食材を盛り付ける人型協働ロボットFoodly(写真⒈)を展示。ロボットは1台で唐揚げのピッキングによる盛り付け作業の実演展示がされていた。
お弁当や惣菜などの食材の盛り付け作業を、⼈と隣り合わせでも安全に行うことができる世界初の協働型ロボットと紹介されている。特別な工事やティーチング不要。サニタリー性が抜群で、ウイルス対策にも活躍とあった。盛り付け食材については、まだ限定されるので特化した作業に専用ロボットとして導入される。

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写真1.人型協働ロボットFoodly

2. ニッタ株式会社 https://www.nitta.co.jp/

 従来持てなかった食材を優しく・衛生的に持つことができるロボットハンド。ハンドを用いた包装機械に食材を自動投入するシステムが展示会初出展されていた。ハンドは、柔らかな食材を優しくハンドリングできる新ラインナップ(写真2.)を初公開。ワンタッチ交換が可能で、ロボットシステムでのオートチェンジが可能になると使用用途も拡大すると思われる。

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写真2. SOFTmatics™

3. 株式会社レステックス https://restex.co.jp/

 人作業に替わる協働ロボット導入で課題となる、周辺供給装置を実例紹介すると共に、導入初期に不安な操作運用の技術サポートを製品へパッケージ化。現場労力を軽減し、設備投資と分散償却などを考慮した技術サポート付き協働ロボットの導入提案をしていた。協働ロボット一体型システムTM-REX(写真⒊)TM-Robotを搭載し昇降式架台と電動グリッパを備えたオールインワン仕様。カメラ標準搭載で高さや傾きの位置認識も素早く、100V電源で移動設置からすばやく作業が可能と紹介していた。

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写真3. 協働ロボット一体型システムTM-REX

 ロボット事業支援サービスは、共同出展社の日研トータルソーシング(株)が提供する技術サポート。導入前調査から導入設置時の業務委託、納品後のカスタマー業務やユーザー向け教育と、段階や用途に応じた幅広いサービスを提供する。中小食品製造業における生産技術者がいない企業へのサポートサービスとしての活用が期待できる。

4. 大同工業株式会社 https://www.did-daido.co.jp/

 EcoCuum(バキューム搬送コンベヤ)(図⒈)の実機とロボット組み込みによるお弁当容器の搬送実演をしていた。通常のベルトコンベヤでは基本的に水平又は緩やかな傾斜搬送しかできませんが、エコキュームは、軽量な搬送物を吸着させることで、垂直・ターン・急傾斜など多様なレイアウトに対応ができる。エコキュームは、プラスチックモジュールチェーンの隙間からファンにより空気を吸引し、負圧を生み出すことによって、搬送物を吸着させながら搬送が可能となっている。

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図1. EcoCuum(バキューム搬送コンベヤ)

5. 池田機械工業株式会社 https://www.ikedakikai.co.jp/

 果実搾り機(標準仕様)MKS-1CP(写真4.)の展示・実演があり、りんご、ラ・フランス、オレンジ、トマト、パイナップル、にんじん、その他の果実、しょうが、人参などあらゆる原料の搾汁が可能。
スクリュープレス方式連続搾汁でりんごの場合、800kg/時間の処理能力、野菜の根菜類などの果実以外も搾ることができる。

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写真4. 果実搾り機(標準仕様)MKS-1CP

6. 株式会社なんつね https://www.nantsune.co.jp/

 これまで人の手でしか出来ないと思われていた上流工程の作業の自動化装置を手がけている。自動盛付ロボ「CM-230スコーピオン」(写真⒌左)は、スライス肉トレー盛り付けの自動化をスライサーの改造なしで簡単に接続・分離が可能な新製品として紹介していた。
鶏肉袋自動開封・脱水機「Air鶏」(写真⒌右)は、2Kg入り鶏肉袋の開封、脱水の自動化を実現、省力化、省人化、異物混入の防止、現場環境の改善を考慮した装置である。

◇「第1回 フードテックジャパン」視察
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写真5.自動盛付ロボ「CM-230 スコーピオン」と鶏肉袋自動開封・脱水機「Air鶏」

7. 株式会社日本キャリア工業 http://nippon-career.co.jp/

 トレー盛り付けまでを自動化した生肉スライサー 2機種が提示紹介されていた。
新製品のスライサー AZ-341用自動トレー盛付機 AZ-341+P(写真6.)チルド温度帯の肉を、スライスし、自動で折り畳み・りん列が可能で全国のスーパーPCでご使用いただいている従来機に、トレー盛付機能を付加したもの。

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写真6. スライサーAZ-341用自動トレー盛付機AZ-341+P

こま切れ肉自動盛付スライサーKP-150は、こま切れ肉のスライスとトレー自動盛付が一体化。従来4人の取り手が必要だったこま切れのトレー盛り付け作業が1人で可能になり、現場の徹底省力に貢献するもとして紹介されていた。

8. 株式会社スター精機 http://www.stertec.co.jp/

 人に代わって段ボール箱の荷物をパレットに積み付けるロボットパレタイザーを出展していた。新製品のロボットパレタイザー PXW-1420P(写真⒎)は、最大可搬重量(ハンド重量含む):20kg(PXW-1420)であるが、その他ラインナップとして35kg(PXW-1535)/50kg(PXW-1550)などがある。限られた現場のスペースで動線が同じ方向で効率的な作業ができるメリットを強調していた。

◇「第1回 フードテックジャパン」視察
◇「第1回 フードテックジャパン」視察

写真7. ロボットパレタイザー PXW-1420Pと使用例

9. 株式会社PSS https://www.pss-m.co.jp/

 極省スペースで高機能をコンパクトにまとめたパレタイザー/デパレタイザー。
極省スペース「パレタイザー」「デパレタイザー」狭い所、人手が足りない現場での利用を考慮したパレタイザーPAL-AH01A (写真8.)の展示・実演がされていた。装置サイズが幅1.78m×奥行2.33m×高さ2.46mコンパクトサイズながら毎分最大毎分12個の搬送を可能にしていた。

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写真8.パレタイザーPAL-AH01A

◇所見

 第1回開催という新規展示会であったが、200社の出展と従来、食品機械装置の展示会である食品工業展FOOMA JAPANの規模(約800社)の1/4の規模、ドリンクジャパンを含めても半分の規模であった。他の展示会同様にオンラインでのバチャール展示など新たな商品紹介・商談が定着してきている感もある。
 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でFOOMA JAPAN 2020は開催中止となったため、代替え展示会として視察し、同時開催のドリンクジャパンとインターフェックスについても視察、本レポートは、フードテックジャパンに絞ってまとめることにした。

【出典先】

視察企業装置・機器写真は各社H.Pより出典転載

以上