『生菓子(いちごのショートケーキを製造する)工場の生産設備解析』

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『生菓子(いちごのショートケーキを製造する)工場の生産設備解析』
“Analysis of production equipment at a fresh confectionery factory (manufacturing strawberry shortcake)”

1. 量産ラインの概要

 いちごのショートケーキは、量産ラインとなるとかなり多くの設備と工夫が必要になる。

1 – 1. 全体のライン構成

 いちごショートケーキの設備は、多くの場合次のような流れで配置される。

 (1) スポンジ生地の仕込み・焼成
 (2) スポンジの冷却・スライス
 (3) ホイップクリームの調製
 (4) 組立・デコレーション
 (5) 冷却・包装・保管

 それぞれの工程ごとに、専用の機械や装置が設置される。

1 – 2. スポンジ生地の仕込みと焼成設備

 (1) 生地仕込み設備
 スポンジ生地を安定して作るための設備

 ・リボンミキサーや高速ミキサー
 卵や砂糖を泡立て、生地を均一に混合する大型ミキサー。
回転数と時間をレシピごとに制御し、泡立ち具合を一定にする。
 ・材料自動供給装置
 小麦粉や砂糖などをタンクやホッパーから自動計量して投入する装置。
作業者の計量ミスを減らし、ロット間の品質差を小さくする。

 (2) 焼成設備

 ・連続オーブンまたはトンネルオーブン
 ベルトコンベア上に流し込まれた生地を連続的に焼成する。
温度帯ごとにゾーンが分かれ、上火と下火を細かく制御できる。
 ・シートパン自動供給・排出装置
 天板に生地を自動で充填し、焼き上がった後に自動で取り出す装置。

1 – 3. スポンジの冷却・スライス設備

 焼成後のスポンジは、組立前に十分に冷ます必要がある。

 ・冷却コンベア・スパイラルクーラー
 常温または冷風でスポンジを徐々に冷却する装置。
スペース効率を高めるため、縦方向に渦巻き状に配置されるタイプもある。
 ・スポンジスライサー
 焼成したシートや丸型スポンジを、上下または多段にスライスする機械。
ワイヤー刃や回転刃で、高さを一定に切り分ける。

1 – 4. ホイップクリームの調製設備

 ショートケーキの質感を左右する重要な設備。

 ・クリームミキサー・ホイッパー
 生クリームを所定の泡立て具合までホイップする装置。
泡立て時間、温度、回転数で硬さやキメをコントロールする。
 ・冷却ジャケット付きタンク
 ホイップ前後のクリームを低温で保つため、タンク外側に冷却用ジャケットがついているものが用いられる。
 ・クリーム供給ポンプ・配管
 ホイップしたクリームを組立ラインのノズルへ衛生的に送る配管システム。

1 – 5. 組立・デコレーション設備

 ここがいちごショートケーキならではの設備が多い部分である。

 (1) 組立ライン

 ・スポンジ搬送コンベヤ
 スライス済みのスポンジを一定ピッチで流すベルトコンベヤ。
 ・クリーム塗布ノズル
 上面にクリームを自動で塗布するデポジッターやスプレッダーが使われる。
ケーキのサイズや形に合わせて量・位置を調整する。
 ・フィリング投入装置
 中段にいちごスライスやいちごソースを入れる場合、それを所定位置に供給する装置。
 ・多段積層機構
 下段スポンジにクリームといちごをのせ、上段スポンジを自動で重ねる装置。

 (2) デコレーション設備

 ・上面クリームナッペ機
 ケーキ天面や側面をクリームで覆うための自動ナッペマシン。
回転テーブルとノズル、スキージーで表面を整える。
 ・いちご自動トッピング装置
 いちごを定められた位置に並べて置くロボットハンドやピックアンドプレース装置。
高度なラインでは画像認識でいちごの向きや大きさを判別しながら配置する。
 ・装飾用ソース・チョコラインノズル
 ソースやチョコを絞り出して線描きや文字入れを行う装置。

1 – 6. 冷却・包装・保管設備

 ショートケーキは温度管理が品質の鍵になる。

 (1) 冷却と保管

 ・急速冷却トンネル
 組立直後のケーキを短時間で冷やしてクリームを安定させるための冷却トンネル。
 ・冷蔵庫 / 冷蔵保管庫
 完成品を所定温度で保管するための冷蔵倉庫。

 (2) 包装設備

 ・トレイ供給 / ケーキ載せ装置
 個包装の場合はプラスチックトレイなどにケーキを載せる機械。
 ・フィルム包装機 / ピロー包装機
 ケーキトレイごとフィルムで密封する装置。
酸素濃度を調整するガス置換装置を併用することもある。
 ・ラベラー / 印字装置
 賞味期限やロット番号などを印字、ラベル貼付する装置。

1 – 7. 衛生管理と品質管理設備

 食品工場の安全・安心のために外せない要素である。

 ・CIP装置
 配管やタンク内部を自動洗浄・殺菌するための洗浄システム。
 ・金属検出機・X線検査装置
 異物混入を検査する装置で、包装前後に設置されることが多い。
 ・重量チェッカー
 ケーキ1個の重量を自動計量し、不良品を排除する。
 ・温度・湿度監視システム
 製造エリアや保管庫の環境を常時モニタリングする仕組み。

2. 国内の中規模~大規模工場の能力別分類

 国内の生菓子工場をイメージすると、中~大規模ではラインの設計がかなり変わってくるので、能力別に解説する。

2 – 1. 前提条件と能力レンジ

 (1) 前提条件

 ・製品:カット済みいちごショートケーキ(1ピース)
 ・稼働時間:ラインあたり1日8時間、実稼働7時間

 (2) 能力レンジ

 ・中規模:2,000〜5,000個/時
 ・準大規模:5,000〜10,000個/時
 ・大規模:10,000〜20,000個/時

2 – 2. ライン全体構成イメージ

 工程ブロックで表すと、どの規模でも基本構成は同じ。

 (1) 基本構成

 ・原料供給・仕込み
 ・スポンジ焼成
 ・冷却・スライス・カット
 ・クリームホイップ・供給
 ・組立・デコレーション
 ・急冷・検査
 ・包装・箱詰め・出荷

 (2) ライン構成

 a) 中規模ライン例(2,000〜5,000個/時)

  原料庫
   ↓
  生地ミキサー(バッチ2〜3台)
   ↓(生地供給ポンプ)
  トンネルオーブン(シート焼成)
   ↓
  スパイラルクーラー
   ↓
  シートスライサー・カッター
   ↓
  組立ライン①(カットケーキ用コンベア)
   ├─ クリームナッペ・デポジットユニット
   ├─ いちご手載せ+簡易トッピングユニット
   ↓
  急速冷却トンネル
   ↓
  金属検出機+重量チェッカー
   ↓
  ピロー包装機 2〜3台(並列)
   ↓
  ケース詰め・出荷

 【特徴】

 ・スポンジ焼成は1ライン、組立も1ライン構成
 ・いちごは人手+簡易治具、デコのバリエーションは少なめ
 ・クリームホイップはバッチ式(連続ホイッパーは1台程度)

 b) 準大規模ライン例(5,000〜10,000個/時)

  原料自動計量+サイロ
   ↓
  生地ミキサー(大型バッチ+バッファタンク)
   ↓
  トンネルオーブン(幅広タイプ、2デッキも可)
   ↓
  スパイラルクーラー(長尺)
   ↓
  シートスライサー
   ↓
  カットユニット(多列カット)
   ↓
  組立ライン①・②(2ライン並列)
   ├─ 連続ホイッパー+クリームデポジット
   ├─ いちご半自動トッピング装置+補助人員
   ├─ 側面ナッペ自動機
   ↓
  急速冷却トンネル(2列搬送)
   ↓
  X線検査+重量チェッカー
   ↓
  横ピロー包装機 4〜6台(分岐コンベア)
   ↓
  ケースパッカー(半自動)・パレタイザー

 【特徴】

 ・焼成〜冷却までは1ラインだが、組立・包装は2ラインに分岐
 ・クリームは連続ホイッパー+ヘッダー配管で複数ノズルへ供給
 ・いちごは自動トッピング機をメイン、人が微調整

 c) 大規模ライン例(10,000〜20,000個/時)

  粉サイロ・液糖タンク・自動計量システム
   ↓
  連続ミキサー+バッファタンク
   ↓
  大型トンネルオーブン(幅広+長尺、多ゾーン制御)
   ↓
  二段スパイラルクーラー
   ↓
  マルチスライサー(シート多段スライス)
   ↓
  多列カッター(例:8〜12列)
   ↓
  組立・デコレーションライン A・B(2〜3系統)
   ├─ 大容量連続ホイッパー×複数
   ├─ クリーム自動ナッペ・縁絞り・線描きユニット
   ├─ いちごピック&プレースロボット(画像認識)
   ↓
  大型急速冷却トンネル
   ↓
  統合検査ステーション
   ├─ X線検査
   ├─ 金属検出
   ├─ オンライン重量チェック
   ↓
  高速包装エリア
   ├─ 横ピロー包装機 8〜12台
   ├─ 自動ケーサー
   ├─ 自動パレタイザー

 【特徴】

 ・原料〜焼成までフル自動連続化
 ・組立ラインを複数持ち、品種切替も考慮した構成
 ・いちごトッピングをロボット化し、人手は監視・補助中心

2 – 3. 能力別の主要設備案

 a) 中規模(2,000〜5,000個/時)想定設備

表1. 中規模能力の主要設備案

工程 主な設備案 イメージ能力
生地仕込み バッチミキサー1〜2台 200〜300kgバッチ
焼成 トンネルオーブン1基 シート20〜30枚/分
冷却 スパイラルクーラー1基 滞留時間20〜30分
スライス シートスライサー1台 20〜30枚/分
組立 コンベヤライン1列 40〜80個/分
クリーム バッチホイッパー+タンク クリーム200〜300kg/時
デコ 半自動ナッペ+人手いちご いちご配置は2〜3人
包装 ピロー包装機2〜3台 各40〜60個/分

【ポイント】

 ・初期投資を抑え、人手で柔軟に対応できる構成
 ・季節商品や多品種少量向けにも使いやすい

 b) 準大規模(5,000〜10,000個/時)想定設備

表2. 準大規模能力の主要設備案

工程 主な設備案 イメージ能力
生地仕込み 大型バッチミキサー+自動計量 300〜500kgバッチ
焼成 幅広トンネルオーブン1基 シート40〜60枚/分
冷却 大型スパイラルクーラー 滞留時間20〜30分
スライス 高速スライサー1台 40〜60枚/分
カット 多列カッター 2〜4列同時カット
組立 コンベヤライン2列 各80〜100個/分
クリーム 連続ホイッパー+配管システム クリーム800〜1,000kg/時
デコ 自動ナッペ+半自動いちご いちごは機械+少人数補助
包装 ピロー包装機4〜6台 各80〜100個/分

【ポイント】

 ・主力商品の基幹ラインとして運用しやすい
 ・直営店舗や量販向けの両方に対応できるキャパ

 c) 大規模(10,000〜20,000個/時)想定設備

表3. 大規模能力の主要設備案

工程 主な設備案 イメージ能力
生地仕込み 連続ミキサー+粉サイロ+液体タンク 数t/時レベル
焼成 大型トンネルオーブン1基 シート80〜120枚/分
冷却 二段スパイラルクーラー 大量処理+温度ゾーン分割
スライス マルチスライサー 多段スライス連続処理
カット 8〜12列多列カッター 大量高速カット
組立 複数コンベヤライン(2〜3系統) 各120〜160個/分
クリーム 大容量連続ホイッパー複数 1〜2t/時以上
デコ 完全自動ナッペ+ロボットいちご 画像認識で位置補正
包装 高速包装機8〜12台+自動ケーサー 各120〜150個/分

【ポイント】

 ・全国向け供給やPB製品大量生産向けの規模
 ・労務削減と安定品質のため自動化・ロボット比率が高い

2 – 4. ライン設計時に決めておくと良い条件

 ・一時間あたりの目標生産数量
 ・1日あたりの稼働時間とシフト数
 ・主力製品のサイズとバリエーション数
 ・カット品主体か、ホール品も同じラインで扱うか
 ・いちごは生使用か、冷凍・プレカット中心か
 ・自動化の方針(人手前提か、将来自動化前提か)

 中〜大規模工場でのイメージを示した。

3. 具体的なライン案の構想設計

 7,000個/時で具体的なライン案を構築する。国内の「主力商品ライン」クラスのイメージに近い。この規模なら、中核設備をしっかり固めておくと運用が安定しやすい。

3 – 1. 基本コンセプト

 (1) 能力:7,000個/時(約117個/分)

 (2) 想定:カットショートケーキ専用ラインが1系統

 (3) 方針:

  ・焼成・冷却は1ライン
  ・組立〜包装は「2列並列」で能力を稼ぐ構成
  ・いちごは「半自動+最終は人の微調整」

3 – 2. 工程ブロックとライン図

 工程ブロックとラインフロー(準大規模 7,000個/時想定)を示す。

[原料計量・仕込みエリア]
 粉サイロ or 大袋+自動計量
  ↓
 大型バッチミキサー(300〜400kg)
  ↓ 生地供給ポンプ
────────────────────────

[焼成・冷却・スライスエリア]
 トンネルオーブン(幅広シート焼成)
  ↓
 スパイラルクーラー
  ↓
 シートスライサー(多段スライス)
  ↓
 多列カッター(2〜4列)
  ↓
 分配コンベヤで「組立ラインA・B」に振り分け
────────────────────────

[組立・デコレーションエリア]
 クリーム連続ホイッパー
  ↓(ヘッダー配管)
 組立ラインA(約3,500個/時)
  ├ スポンジ搬送コンベア
  ├ クリームデポジット
  ├ 中段いちご投入(半自動+人)
  ├ 上段スポンジ自動載せ
  ├ 上面・側面ナッペ機
  ├ いちご上面トッピング装置+人調整
 組立ラインB(同上構成)
────────────────────────

[冷却・検査・包装エリア]
 二列急速冷却トンネル(A・B合流)
  ↓
 X線検査+金属検出+重量チェッカー
  ↓
 分配コンベヤ
  ↓
 横ピロー包装機 4〜6台
  ↓
 半自動ケーサー・人手調整

3 – 3. 能力から逆算した主要設備案

 (1) 能力のざっくり分解

  ・7,000個/時 ≒ 117個/分
  ・組立ラインを2列にすると、1列あたり約60個/分が目安

  → コンベヤピッチ:

  a) 1列あたり60個/分
  b) 1分あたり60ポケット、1秒に1個のイメージ

 (2) 工程別の具体イメージ

  a) 生地仕込み・焼成

  ・大型バッチミキサー:300〜400kgバッチを複数回/時
  ・生地供給ポンプ:オーブン入口のデポジット機へ送液
  ・トンネルオーブン:
  シート幅:600〜800mmクラス
  1トレイあたり:シート2〜3列
  焼成能力目安:シート40〜50枚/分

  b) 冷却・スライス・カット

  ・スパイラルクーラー:
  滞留20〜30分でスポンジ芯温を落とす構成
  ・シートスライサー:
  多段ワイヤーで2〜3段スライス
  ・カットユニット:
  2〜4列同時カットで、1列あたり20〜30個/分程度
  カット後の製品をA・Bラインへ分配

  c) クリーム・組立・デコ

  ・クリーム連続ホイッパー:
  クリーム消費量から逆算し、500〜800kg/時クラス
  ヘッダーから各ラインのデポジット機に供給
  ・組立ラインA/B:
  下段スポンジ供給 → クリーム塗布 → 中段いちご → 上段載せ → 上面ナッペ → 側面ナッペ → いちご上載せ
  ・いちご:
  中身は人+簡易ジグでも可
  上面は半自動トッピング機+人の位置調整要員1〜2名

  d) 冷却・検査・包装

  ・急速冷却トンネル:
  A・Bラインの製品を1列にまとめて冷却
  滞留10〜20分でクリーム固め
  ・検査:
  X線検査装置1台
  金属検出機1台
  オンライン重量チェッカー1台
  ・包装エリア:
  横ピロー包装機:4〜6台(各40〜60個/分クラス)
  手詰め+半自動ケーサーで段ボール詰め

3 – 4. 人員と自動化イメージ

  ・仕込み・焼成エリア:数名(監視・段取り中心)
  ・組立エリア:
  各ラインのいちご中身・上面調整で数名ずつ
  ラインリーダー的なオペレーター1名/フロア
  ・包装エリア:
  包装機オペレーター+ケース詰め要員数名

 全体で「完全自動」にはしきらず、デコの見栄えと季節変動に対応できるよう、人手をうまく残すイメージが現実的である。

4. カットとホール共用のライン設計

 カットとホールを同じラインで扱う場合、設備の「共用」と「切り替えやすさ」のバランス設計が重要になる。

4 – 1. 基本コンセプト整理

 (1) 能力:合計7,000個/時相当

 (2) 製品構成イメージ

 ・カットショート:主力、数量多め
 ・ホールショート:数量は少ないが見栄え重視

 (3) 方針

 ・「焼成〜スライス手前」までは完全共用
 ・「スライス以降」でカットラインとホールラインに分岐
 ・クリーム・いちごは同じ供給系を共用しつつ、ヘッドだけ切替

4 – 2. ライン構成イメージ(カット+ホール)

[共通]原料計量・生地仕込みエリア
  粉サイロ/大袋+自動計量
    ↓
  大型バッチミキサー
    ↓ 生地供給ポンプ
────────────────────────
[共通]焼成・冷却エリア
  トンネルオーブン(シート焼成 or 丸型多取)
    ↓
  スパイラルクーラー
    ↓
  分岐ポイント
    ├ カット用:シートスライサー・多列カッターへ
    └ ホール用:丸型スライサー・ホール搬送へ
────────────────────────
[カットライン]
  シート多段スライサー
    ↓
  多列カッター(ピース取り)
    ↓
  カット組立コンベヤ A・B(2列)
    ↓
  中段いちご・上面ナッペ・いちごトッピング
    ↓
  急速冷却
    ↓
  検査 → 個包装 → ケース詰め
────────────────────────
[ホールライン]
  丸型スポンジスライサー(2〜3段)
    ↓
  ホール組立コンベヤ(1列)
    ↓
  中段いちご・上面ナッペ・サイドナッペ
    ↓
  いちごトッピング・デコ(人+半自動)
    ↓
  急速冷却
    ↓
  検査 → ホール用ケーキトレー・フード包装 → ケース詰め

4 – 3.能力配分のイメージ

 7,000個/時を「ピース換算」で考える。

 ・1ホール=8ピース換算と仮定
 ・例:
 a) カット:5,000ピース/時
 b) ホール:ホール/時=2,000ピース換算

  → 合計7,000ピース換算/時4 – 4. 工程別の具体イメージ

 この想定だと、ライン能力の配分は表4.のようなイメージになる。

表4. ライン能力配分と設備構成

ライン 実数量の目安 設備構成イメージ
カットライン 約5,000ピース/時 組立コンベヤ2列(各40〜45個/分)
ホールライン 約 250ホール/時 組立コンベヤ1列(4〜5ホール/分

※運用上は「ホール生産を特定時間帯に集中させる」運用も現実的である。

4 – 4. 工程別の具体イメージ

 (1) 焼成までの共用設計

  a) シート焼成+丸型焼成の2パターン

  ・シート:カット用
  ・丸型:ホール用

  b) 同一オーブンで「シート天板ゾーン」「丸型天板ゾーン」を時間帯で切り替えるか、もしくは同一天板でシートエリア・丸型エリアを混載する設計もあり得える。

 (2) 分岐後の専用設備

  a) カットライン側

  ・シート多段スライサー
  ・多列カッター(2〜4列)
  ・カット組立コンベヤ2列:
  クリーム自動デポジット
  中段いちご供給(半自動)
  上面・側面ナッペ機
  いちご上面トッピング装置+人の位置調整

  b) ホールライン側

  ・丸型スポンジスライサー:
  ホール専用の高さ調整機能付き
  ・ホール組立コンベヤ:
  クリームデポジットヘッドは「ホール用パターン」に切替
  上下面のクリーム量を柔軟に変えられるよう、レシピプリセット
  ・デコエリア:
  側面ナッペは自動機+人による仕上げが現実的
 いちごトッピングは、ホールは見栄え重視のため人中心+簡易冶具が多い

  c) クリーム・いちご供給の共用

  ・連続ホイッパーは共通:
  ヘッダー配管から
  カットラインA・B
  ホールライン
 に分岐
  ・いちご:
  共通の洗浄・選別・カットエリア
  カット用、ホール用でカットサイズや数量を変える
  供給はそれぞれ専用ホッパーへ

4 – 5. 切り替え・運用のポイント

 ホールとカットの生産比率が日によって変動する想定で、焼成スケジュール、デコオペレーターの配置を柔軟に変えられるようにしておくと運用が楽になる。

  ・典型運用例:

  a) 午前:ホール主体の生産(ホールラインフル稼働+カット片側)
  b) 午後:カット主体(カット2列フル+ホール少なめ)

 この前提でライン計画を組むと、同じ設備構成で日々のオーダー変動に対応しやす。

5. 運用・ライン配分と切り替えルール

 ホール比率が3〜4割で運用を計画、ライン配分と切り替えルールを決めて運用しやすくする。

5 – 1. 前提整理と数量イメージ

 (1) 能力:合計 7,000ピース換算/時

 (2) ホール比率:3〜4割(平均0.35と仮定)

 (3) 1ホール=8ピース換算とすると

 ・ホール:7,000×0.35=約2,450ピース換算/時 ≒ 300ホール/時弱
 ・カット:残り約4,550ピース/時

 このイメージで「カット2列+ホール1列」の構成をベースにする。

5 – 2. カット・ホール併用ライン構成案(7,000ピース換算/時)

[共通エリア]
  原料計量・仕込み
    ↓
  トンネルオーブン(シート+丸型)
    ↓
  スパイラルクーラー
    ↓
  分岐ポイント
    ├ カット用:シートスライサー・多列カッター
    └ ホール用:丸型スライサー
────────────────
[カットライン]
  シート多段スライサー
    ↓
  多列カッター(2〜4列)
    ↓
  カット組立コンベヤA(約2,300ピース/時)
  カット組立コンベヤB(約2,300ピース/時)
    ↓
  中段いちご・上面ナッペ・いちごトッピング
    ↓
  急速冷却 → 検査 → 個包装 → ケース詰め
────────────────
[ホールライン]
  丸型スポンジスライサー
    ↓
  ホール組立コンベア(約300ホール/時)
    ↓
  中段いちご・上面サイドナッペ
    ↓
  いちごトッピング・仕上げデコ
    ↓
  急速冷却 → 検査 → ホール包装 → ケース詰め

5 – 3. 能力・設備の目安

 (1) 焼成〜冷却(共通)

表5. に焼成〜冷却工程の設備能力の目安を示す。

表5. 焼成〜冷却工程の設備能力(目安)

工程 設備イメージ 能力の目安
仕込み 大型バッチミキサー 300〜400kgバッチを数回/時
焼成 幅広トンネルオーブン1基 シート+丸型混在で7,000ピース対応
冷却 スパイラルクーラー 滞留20〜30分

 運用としては、時間帯ごとに「シート多め」「丸型多め」を切り替えてホール比率を調整する想定。

 (2) カットライン側(約4,500〜5,000ピース/時)

表6. にブロックごとの設備イメージをまとめる。

表6. カットライン側ブロックごとの設備イメージ

ブロック 設備イメージ
スライス シート多段スライサー1台
カット 2〜4列多列カッター
組立A/B 各コンベヤ60個/分弱(3〜4人付)
クリーム 連続ホイッパー→ヘッダー配管でA/Bへ供給
デコ 自動ナッペ+半自動いちごトッピング
包装 ピロー包装機4〜6台+半自動ケーサー

 (3) ホールライン側(約300ホール/時)

表7. にブロックごとの設備イメージをまとめる。

表7. ホールライン側ブロックごとの設備イメージ

ブロック 設備イメージ
スライス 丸型スポンジスライサー1台
組立 コンベヤ4〜5ホール/分
クリーム カットと共通ホイッパー、ホール用ノズル
デコ 自動ナッペ+人中心のいちご盛り付け
包装 ホールトレー+フード包装機1〜2台

 ホールは見栄え重視なので、完全自動ではなく「半自動+人仕上げ」が現実的である。

5 – 4. 日々の運用イメージ

 (1) 基本:「3割ホール」をターゲットにしつつ、日オーダーに応じて調整

 (2) 例:

  ・午前:ホール多め(丸型焼成を厚めに取り、ホール組立を優先)
  ・午後:カット多め(シート中心焼成、カットラインフル稼働)

 ホール比率が一時的に上がる日は、シート焼成を少し抑えて丸型を増やすだけで調整できる構成。

6. 人員計画

 30人未満に抑える前提で「どこを自動化寄り」「どこを人中心」にするかを絞り込む必要がある。

6 – 1. 人員目標と基本方針

 (1) 目標:1シフトあたり 25〜28人程度

 (2) 方針:

  ・仕込み〜焼成〜冷却〜スライスは極力省人化
  ・カット組立は「各列5人前後」に絞り込む
  ・ホールは数量を抑えつつ、少数精鋭で見栄えを確保
  ・包装は機械台数を少し絞り、1人あたりの処理量を高める

6 – 2. ゾーン別「省人数」モデル

 (1) 原料・仕込み:2〜3人

 ・自動計量+大型ミキサー前提で、人は最小限
 ・ミキサー・計量兼任オペレーター:2人
 ・忙しい時間帯のみ原料ハンドリング1人追加

合計:2〜3人

 (2) 焼成・冷却:2人

 ・トンネルオーブン+スパイラルクーラーを1人が主担当、1人が共用補助
 ・焼き色確認、トラブル対応を分担

合計:2人

 (3) 中央スライス・分配:2人

 ・スライサー・カッター主担当:1人
 ・分配・ラインバランス見ながら、簡単な補修や監視:1人

合計:2人

 (4) カットラインA・B(2列):計8〜10人

 「1列5人」を上限に絞り込む

 各列(A/B)

 ・クリーム・ナッペ周り:2人
 ・中段いちご+上面いちごトッピング:2人
 ・ライン監視・補修:0〜1人(A・Bで1人共用も可)

1列4〜5人 ×2列=8〜10人

 (5) ホールライン:4〜5人

 ・組立・ナッペ:2人
 ・いちご・デコ:2人
 ・ライン監視・特注対応:0〜1人(カット側と共用も可)

合計:4〜5人

 (6) 包装・出荷前:6〜7人

 ・カット包装機:3〜4台に抑える前提
  a) 機械オペレーター:3〜4人
  b) ケース詰め・共用補助:2〜3人(ホールと共用)

合計:6〜7人

6 – 3. 合計人数イメージ

表8. にゾーンごとの人数目安を示す。

表8. ゾーンごとの人数目安

ゾーン 人数目安
原料・仕込み 2〜3人
焼成・冷却 2人
中央スライス・分配 2人
カットラインA+B 8〜10人
ホールライン 4〜5人
包装・出荷前 6〜7人
ライン長・品質管理 1〜2人

合計:だいたい 25〜29人

運用を工夫すれば「28人上限」くらいには収められる。

7. ピークで7〜8万ピース前後を回す想定

 「ピーク時の1日生産量(ピース換算)」をおよそピークで7〜8万ピース前後を回す想定。ここまでのライン構成と人員計画はかなり現実的なレンジに入っている。

7 – 1. 日産7〜8万ピースとライン能力

前提条件

 (1) ライン能力:7,000ピース換算/時
 (2) 実稼働:1日11〜12時間程度(休憩・段取りを除いた純稼働)
 (3) 7万ピース:7,000×10時間
 (4) 8万ピース:7,000×約11.5時間

残業や二交替の組み方にもよりますが、「1ライン・7,000ピース/時クラス」で日産7〜8万ピースは妥当な負荷感である。

7 – 2. 運転パターンのイメージ

パターン例

 (1) 通常日

  ・1シフト(8時間)+残業2時間=10時間稼働
  ・生産量:7,000×10=7万ピース前後

 (2) 繁忙日

  ・2交替でトータル11〜12時間稼働
  ・生産量:7,000×11〜12=7.7〜8.4万ピース前後

ホール比率が3〜4割なので、ピーク日は「ホールをやや抑えてカット比率を上げる」運用で、見栄えと人員負荷のバランスを取ると安定しやすい。

7 – 3. 30人未満で回す際のポイント整理

 (1) 仕込み〜焼成〜冷却〜スライスを「8〜9人程度」に抑える
 (2) カットA+Bを「各4〜5人」で合計8〜10人
 (3) ホールラインを「4〜5人」
 (4) 包装・出荷前を「6〜7人」

ここにライン長や品質管理を1〜2人加えて、合計25〜29人を目標とする。この前提なら、日産7〜8万ピース規模でも「増員は繁忙期限定」にできる可能性が高い。

8. 自動化投資の検討

 「どの工程から自動化投資を優先するか」を考える際は、いちごトッピングとデコは、手作業の負担が一番大きくなりやすいところなので、ここから自動化の優先順位をつけていく考え方が合理的である。

8 – 1. 自動化の優先ターゲット整理

優先度が高いところ

  ・カットショートの「いちご上面トッピング」
  ・カットショートの「中段いちごの定量投入」
  ・ホールケーキの「側面ナッペのベース作り」

この3つを装置化して「人は仕上げと微調整に集中」できるようにすると、人数を減らすというより、1人あたりの処理能力をかなり引き上げられる。

8 – 2. カットショート側の自動化イメージ

 (1) いちご上面トッピング半自動化

  ・コンベヤ上にケーキを一定ピッチで流す前提で、上からいちごをピック&プレースするユニットを配置するイメージ。

  ・できること:

  a) いちごの「置き位置」と「個数」を自動化
  b) ケーキ位置はセンサーで検知

  ・人の役割:

  a) 装置の手前で、いちごを向き・大きさで簡易選別
  b) 装置通過後に、向きや見栄えを1〜2人で微修正

  ライン2列あるので、最初は1列だけに導入して「1列あたりの必要人数が何人減るか」を見ながら、2列目導入を判断する形が現実的。

 (2) 中段いちごの定量投入

  ・完全な自動トッピングではなくても
  a) いちごスライスをホッパーに入れ
  b) 一定量を一定位置に落とす「簡易デポジッター」

  を使うだけでも、手作業の“ばらつき”が減る。

  ・人の役割:

  a) ホッパーへのいちご補給
  b) 足りないところの追い足し
  c) 形が悪いものの除去

  これにより「中段いちご担当」をライン1列あたり1人→0.5人相当まで圧縮しやすくなる。

8 – 3. ホール側のデコ自動化イメージ

  (1) 側面ナッペのベース自動化

  ・ホールにとって一番時間がかかるのが「側面をそこそこ平らにする工程」です。
  ・自動ナッペ機で
  a) ホールを回転させながら側面と上面にクリームを粗く載せる
  b) 人がその後、パレットナイフで「仕上げの表情」をつける

  という役割分担にすると、一人当たりのホール処理数がかなり上がる。

 (2) トッピングは「人+治具」で割り切る

   ・ホールは見栄え重視なので、現状では完全なロボット化よりも
  a) ケーキの外周に軽いガイド(いちごを置く位置に印がついたリングなど)
  b) いちご数と配置をパターン化した作業標準

  のほうが、投資対効果が良いケースが多い。

8 – 4. 人数に与える影響イメージ

 上述のような「半自動化」まで行うと、概ね以下のようなイメージになる。

 (1) カットラインA+B

  ・現状案:各4〜5人 → 自動化後:各3〜4人
  ・2列合計で「2〜3人程度」の削減余地

 (2) ホールライン

  ・現状案:4〜5人 → 自動ナッペ導入後:3〜4人
  ・1人分程度の削減余地

  全体で「4〜5人ぶんの負荷低減」を、残業削減や繁忙期対応余力として使えるイメージとなる。

9. 投資規模ごとの選択肢イメージ(小・中・大)

 投資規模については、「どこまで自動化するか」の線引きをしておくとこが重要なポイントである。

9 – 1. 小規模投資プラン(現ライン活用+作業軽減)

 (1) 投資イメージ

  ・目安:小さめの設備更新や追加で収まるレンジ
  ・ゴール:人数はほぼ変えず、作業負荷とバラつきを軽減

 (2) 主な内容

・カットライン:
  a) 中段いちご用の簡易デポジッター
  b) 上面いちご用のガイド治具(位置決めプレートなど)
  c) クリームデポジット条件の見直しとプログラム最適化
・ホールライン:
  a) いちご配置用のリング治具、テンプレート
  b) ナッペ作業台・回転台の改善で手作業効率アップ

 (3) 効果イメージ

 ・同じ人数で「ピーク時のしんどさ」が軽くなる
 ・見た目のバラつきが減り、クレームリスクも低下

9 – 2. 中規模投資プラン(半自動化ライン化)

 (1) 投資イメージ

・目安:ラインの一部に専用機を導入するレンジ
・ゴール:人員1ラインあたり数人分の負荷を削減

 (2) 主な内容

・カットライン:
  a) いちご上面トッピング半自動機(1列分)
  b) 中段いちご用の簡易自動投入機
・ホールライン:
  自動ナッペ機(側面・上面のベース塗り)
・共通:
  a) クリーム連続ホイッパーの最適容量化
  b) コンベア回りのピッチ統一、センサー増設

 (3) 効果イメージ

 ・カットA+Bで合計2〜3人分程度の負荷低減
 ・ホールで1人分程度の負荷低減
 ・繁忙期の増員を抑えつつ、日産7〜8万ピースを安定維持

9 – 3. 大規模投資プラン(高度自動化ライン化)

 (1) 投資イメージ

  ・目安:いちごトッピングを含めた「ほぼフル自動」の方向
  ・ゴール:人は主に監視と仕上げ、ライン全体の人員を大きく圧縮

 (2) 主な内容

・カットライン:
  a) 2列ともいちごピック&プレースロボット導入
  b) 画像認識でケーキ位置・いちご形状を補正
・ホールライン:
  自動ナッペ+簡易ロボットトッピングの組み合わせ
・共通:
  a) 搬送・分配の高精度化、検査・排除も一体で自動化
  b) 包装〜ケース詰めまで自動ケーサー・パレタイザー連動

 (3) 効果イメージ

 ・デコ・トッピング工程の人員を「監視+微調整中心」に
 ・全体で5〜10人分程度の人員削減ポテンシャル
 ・そのぶんを増産や新製品開発側に回せる余地ができる

10. 立上げ計画の立案

 1〜2年後の立ち上げを見据えて、月単位で「これだけ進んでいればOK」というレベルに分解して計画。24か月フルにはせず、まずは約18か月での立ち上げイメージで検討する。

10 – 1. 0〜6か月:基本構想と仕様固め

 (1) 0〜2か月目

・現状整理:
  a) 現ラインの実データ確認(実能力、ロス率、人員)
  b) 将来の製品構成と、ライン2で優先すべきSKUを絞り込み
・コンセプト確認:
  a) ライン2は「カット専用・1列4,500ピース/時・いちご1粒」前提を社内で合意
  b) ホールはあくまでライン1で扱う方針を明文化

 (2) 3〜4か月目

・レイアウト案・概略仕様作成:
  a) 建屋図面上に、ライン2の1列分レイアウトのドラフトを作成
  b) 搬送ルート:共通ゾーンからライン2への分岐方法を決める
・メーカー打診・概算見積:
  a) コンベヤ、デポジッター、ロボットセル候補メーカーに声かけ
  b) 4,500ピース/時・1粒トッピング条件で実現可否と、おおよその価格・リードタイムを確認

 (3) 5〜6か月目

・社内決裁用の素案作成:
  a) 投資額レンジ(幅ありのままでOK)
  b) 能力アップ効果(ライン2片列で+4,500ピース/時)
  c) 人員影響(ライン2で必要な人数の目安)
・絞り込み:
  a) メーカー候補を1〜2社程度に絞る
  b) 詳細仕様検討に入る前の「Go / Hold」の判断ポイントを整理

10 – 2. 7〜12か月:詳細設計と設備製作

 (1) 7〜8か月目

・詳細仕様の詰め:
  a) クリーム量、コンベヤピッチ、ケーキ寸法の標準値を確定
  b) いちごトレイ形状や供給方法、ロボットのサイクルタイム設定案を決める
・工場側インフラ確認:
  a) 電源容量、エア、排水、床荷重を確認
  b) 必要な改造範囲と工事時期のラフな計画を立てる

 (2) 9〜10か月目

・メーカー側:機械設計・プログラム設計
  a) ロボットの動作パターン(トッピング位置)をプログラム案レベルまで固める
  b) 必要なセンサー・カメラの位置決め案を作成
・工場側:事前準備
  a) 通路・安全柵・非常停止配置などの安全計画
  b) 清掃・洗浄のしやすさを考えた配置の微調整

 (3) 11〜12か月目

・設備製作本格化:
  a) フレーム・コンベヤ・ロボットの製作開始
  b) メーカー側での仮組み・動作確認(ドライテスト)
・受け入れ条件すり合わせ:
  a) 受入検査の基準(タクト、位置精度、停止頻度の目安)
  b) テスト製造時の検証項目(歩留まり、トラブル事例の記録方法)を決める

10 – 3. 13〜18か月:据付・テスト・本格運転移行

 (1) 13〜14か月目

・工場内据付工事:
  a) 休日や夜間を活用して、共通ゾーンとの接続工事
  b) ライン2側のコンベヤ・ロボットセル据付
・単体試運転(空運転):
  a) コンベヤ搬送、センサー、インターロックの確認
  b) ロボットの動作範囲・衝突チェック

 (2) 5〜16か月目

・原料を使ったテスト生産(限定時間):
  a) 日中の一部時間帯だけ、ライン2片列で実際にケーキを流して検証
  b) いちご位置のバラつき、抜け・二重置きの有無を確認
  c) 清掃時間・手間の実測
・標準条件の調整:
  a) クリーム硬さ、コンベヤ速度、ロボットスピードを微調整
  b) 作業手順書のドラフト作成

 (3) 17〜18か月目

・本格運転への移行:
  a) 早番・遅番それぞれで、数週間ずつ連続運転して安定性確認
  b) 小さなトラブルの再発防止策を標準化(チェックリスト化)
・人員とシフトの最終調整:
  a) ライン2片列を前提にした、2交替の最適人員バランスを確定
  b) 繁忙期の応援パターンも決めておく

 この18か月がスムーズに進めば、「1〜2年以内の片列4,500ピース/時立ち上げ」は十分現実的なスケジュール感に計画できる。

最後に

 日産7〜8万ピース・将来1.5万ピース/時まで拡張可能な生産設備計画として、まずは7,000ピース/時のライン1でカットとホールを共存させつつ、30人未満で運用する体制を構築。そのうえで、共通の焼成・冷却・スライス能力を最初から“太め”に確保し、1〜2年以内にカット専用のライン2を片列4,500ピース/時・高自動化で立ち上げ。ライン2はいちご1粒トッピングロボットを中核としたカット専用ラインとし、需要に応じて2列化して8,000〜9,000ピース/時まで段階的に増強することで、人員効率と拡張性を両立した設備構成を実現する計画とした。

以上

【参考引用先】

 全日本菓子協会公表:『洋生菓子の生産数量の推計値』2023_production_1.pdf